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歯周病ってどんな病気?

歯周病は、歯を支える周辺組織(歯肉や骨など)の病気

皆さんがよくご存じの虫歯は、ある程度の大きさになれば、自分で鏡を見てもわかります。
ところが歯周病はやっかいなことに鏡を見てもその違いがはっきりとわかりません。
それは虫歯と違い、歯を支える周辺組織(歯肉や骨など)の病気だからです。

健康な歯ぐきと重度歯周炎

歯周病は「沈黙の病」

よほど悪化して腫れてくるか、噛むと痛みがあったり、グラグラ動いてきたりして、やっと異変に気づくのですが、その時には手遅れなことも多くあります。
『沈黙の病』と言われる所以です。

ライン

歯周病でグラグラの歯 右の患者様も虫歯一つありませんでしたが、歯がグラついて噛めないと来院された時には歯周病が悪化して歯の保存は不可能でした。

抜いてみると、歯肉の下に隠れて見えない部分はこんなにも汚れていました。
長年バイ菌が、血管を通って全身に巡っていたはずです。

ちなみに最近狭心症の発作を何度か発症されていたそうで、歯周病の影響が、少なからずあったのかもしれません。

歯周病の原因

歯周病は、皆さんご存じのプラークと呼ばれるお口の中の汚れから起こります。
しかしプラークの正体が何かご覧になった人は少ないはずです。
(当院では必ず顕微鏡で最初にそれを見て頂きます。)

実は食べ残しでも、歯から出た垢でもありません。それはバイ菌の集合体なのです!

お口の菌はこんな状態です

今ではそのプラークのことをバイオフィルムと呼んでいます。
お風呂の排水溝や風呂桶に付着したヌメリを想像して下さい。
簡単には洗い流せないはずです。
あの落しにくいヌメリこそが細菌バイオフィルムで、風呂ではなく歯に付着して歯周病や虫歯の原因になるのです。

揺さぶられる歯のイメージ

つまりこのバイオフィルムと化したバイ菌の存在と個人の遺伝子的な要因、そして生活習慣からくる環境要因が合わさり歯周病が発症します。
そして歯を支える骨が少なくなったところに、噛み合わせの横に揺さぶられる力が加わって、余計に悪化するのです。
それはまるで地中に浅く打ち込んだ杭に、横から蹴りを入れるようなものです。

歯周病の原因になる菌の種類と検査

歯周病を引き起こす6種類の細菌

口の中には約400種類の菌が存在していると言われています。
その菌には善玉も悪玉も混在しているので、菌だからといって全てが敵ではありません。
ただその中に歯周病を引き起こすとても悪い菌が、何種類か存在しています。

それがこの6種類の細菌です

  • Aa菌Actinobacillus actinomycetemcomitans
  • Pi菌Prevotella intermedia
  • Pg菌Porphyromonas gingivalis
  • Tf菌Tannerella forsythensis
  • Td菌Treponema denticola
  • Fu菌Fusobacterium nucleatum

下の図は、口の中の細菌の割合を模式的に表したものです。

Pg菌、Tf菌、Td菌はRed Complex(れっどこんぷれくす)といって重度の歯周病の方にみられる細菌でピラミッドの一番上の赤い部分に相当します。

口の中の細菌の割合

このような悪い細菌がお口の中で、どれぐらいの割合を占めているのかが重要です。
それを今ではDNAを増幅して調べるPCR法と言われる方法が開発されて、比較的容易に正確な値がわかるようになりました。

当院では歯周内科治療の日本の第一人者であられます、横浜の吉野敏明先生のご指導のもと、歯周病原菌のPCR法と血液の抗体価検査を実施して、あとに述べる歯周病のタイプの診断とその治療法に活かしています。

歯周病のタイプ

歯周病のタイプは3種類

歯周病のタイプを大まかに分けると、以下の3種類になります

  • 歯肉炎(歯ぐきが腫れているだけ)
  • 慢性(成人性)歯周炎
    (歯茎だけでなく周辺のセメント質や骨にまで炎症が波及している)
  • 侵襲性歯周炎

歯肉炎と歯周炎

細菌を除去しても治癒しない侵襲性歯周炎

歯周病の治療は今までは、細菌の量を減らすことが一番の治療法とされ、 ブラッシングや歯科衛生士や歯医者が行う歯石取りなどに代表される物理的・機械的な細菌除去が治療の中心でした。
歯肉炎や普通の慢性歯周炎はほとんどがそれで治癒していました。 それは今でも治療の基本として変わりありません。
ところがそれでも治癒しないケースが全体の5~20%くらいあることが昔から知られていたのです。

それが侵襲性歯周炎(しんしゅうせいししゅうえん)です。

通常の機械的な細菌除去で治癒しないばかりか、比較的若い年齢で急速な骨の破壊が認められます。
そこには特異的な菌(Pg菌、Aa菌)の存在と遺伝的な要因が大きく関与します。

細菌の量とともに、細菌の質と割合が治療の上で重要になります。

侵襲性歯周炎の治療についてはこちら

歯周病と全身の関係

歯を失うことにより、咀嚼能力(そしゃくのうりょく:噛む能力のこと)や生活の質の低下を招くことになります。
また口の中の歯周病菌が体内に運ばれ、他の臓器に影響を及ぼすことがあります。

動脈硬化・虚血性心疾患 歯周病菌による酸化ストレスや菌がもつ血小板凝固因子等により血栓形成を招く
心内膜炎 弁膜障害のある場合などにはその部位に歯周病菌が付着して増殖し、細菌性心内膜炎を起こす
糖尿病の悪化 炎症性サイトカインが産生され、インスリン抵抗性を増す
誤嚥性(ごえんせい)肺炎 高齢に伴い嚥下反射と咳嗽反射*が弱くなり口腔内の細菌を誤嚥**することで肺炎を起こす
低体重出産・早産 歯周病菌の毒素によって作られるプロスタグランジンE2という物質が血液を介して膣内に作用して子宮の収縮、子宮頸部の拡張が起こり早産を引き起こす
*咳嗽反射:
気道の異物や分泌物を生理的防御反応として咳によって排除させる、生理的反射をいう
**誤嚥:
食べ物や唾液が誤って気管に入ること